聖夜の夜に……
それでも
ぼくは心から祈りを込めてハープを奏でた。

授けられた運命が変わる事はないけれど、
少しでもその中で
幸せを感じて生きられるように。


あの時分娩室の廊下で
泣きながら祈るようにお父さんが抱きしめていた
くまのぬいぐるみ。

自分の命と引き換えにでも、助かって欲しいとお母さんの願いの中産まれた

あの女の子が

えりちゃんだったんだね……。

ここまでよく頑張ったね。

えりちゃんも。
お父さんも。
お母さんも。

ずっと
ずっと……
頑張って来たんだね。


人の死になれてしまっていた
ぼくは、何か大切なものを忘れていた事に気が付いた。

その事を
えりちゃん達3人が思い出させてくれたんだ。
< 39 / 46 >

この作品をシェア

pagetop