揚羽蝶
あたしは次の日
置き手紙もしないで
家をでた
そして出来たばかりの
あかりのお墓によった
あかりのお墓にお花を
備えてあげた
「あかり?おねぇあの家にはいれないよ、だってあかりがいないなんて考えられないもん」
あたしはそう言って
あかりのお墓を
ポンポンと叩いた
「行ってきます」
あたしは荷物を持ち上げ
地元を去った
あかりのいない
あの家には絶望しか
残っていない
あたしは逃げたんだ
絶望から逃げたくて
あたしは"可憐"って
名前も捨てた