もう一度、名前を呼んで。【完結】



そっか。

理流は3年生だからこの教室に来るのはおかしいもんね。


あたしは勝手にそう解釈した。






ぐるっと教室を見渡しても、昂太がいない。



あれ?

どこ行ったんだろう。




あたしは教室で昂太を待っていようと思い、理流の方を向いて言った。



「理流、ありがとね。もう教室に戻っていいよ?」





あたしがそう言ったのは聞こえたはずなのに、教室中を見渡した理流は黙って教室に入り、あたしの席のとなり、一番窓際の席に座った。



「ちょ…どうしたの?」




あたしは慌てて理流に近づいていく。


だってここは2年の教室。



3年生の理流がいるのはおかしい。





でも理流は当たり前のようにそのイスに腰を下ろしたまま言った。



「タツキか昂太が帰ってくるまでいてやる。
藍那もさっさと座れ。

席、そこだろ?」




なんであたしの席が分かるんだろう。







………じゃなくて!



いっぱい疑問はあるよ!!






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