もう一度、名前を呼んで。【完結】
でもまあ、あたしには関係ない。
そう思って通り過ぎようとした。
だけど……
パシッ
通りすがりに腕を掴まれてしまった。
「……何ですか?」
その時、多分あたしは無表情だったと思う。
「藍那…か?」
は!?
なんでこの人あたしのことを知ってるの?
こんな知り合いいたっけ?
っていうか日本に知り合いって…
あんまりいないんだけどな。
「藍那…だよな?」
「そうですけど…あなたは誰なんですか?」
あたしは当然のことを聞いた。
なのに……