もう一度、名前を呼んで。【完結】
「あ…いや…藍那ちゃんが分かってないなら…
気にしてないなら…いいんだけど…」
あっちゃんの言葉は凄く歯切れが悪い。
「篤志!良くねぇだろ!」
けいちゃんが、あっちゃんに向かって叫ぶ。
「啓司、落ち着け。」
「何言ってんだ!?紫蛇だろ!?」
「落ち着けっ!大丈夫だろうが。」
「……っ!」
あの……
あたしの前でケンカしないでよ。
空気が、重たいものに変わっていた。