もう一度、名前を呼んで。【完結】
「いいか、啓司。ここで俺らが出るのはちげぇ。」
諭すように話すあっちゃん。
「…でもっ!!
何かあったんじゃおせぇ……」
辛そうに顔を歪めるけいちゃん。
それを見てあっちゃんも眉間にシワを寄せた。
「どんな思いで風斗さんが俺らに藍那を任せたと思う……?」
けいちゃんの言葉にあっちゃんの眉間のシワは深くなる。
あたしは、二人の不安を取り除きたいと願った。
あたしの為に人が苦しむ姿はどんな理由があろうと嫌いなんだ。
「ねぇ、話しを聞かせて?
あたし、ちゃんと気をつけるから。」
急に口を開いたあたしを、二人は驚いた表情で見た。