もう一度、名前を呼んで。【完結】
ツカツカと、怯える男に近づきあたしは胸倉をつかむ。
「…なぁ?言ってみろよ。」
でも、何も言わない男。
それもそのはず。
あたしが首を軽く閉めてるから。
あたしに掴まれてる男は苦しそうに顔を歪め、その体は少しだけ中に浮いている。
あたしがもちあげてる。
「言えないの?」
あたしが言うのと同時に
男は意識を失った。
死んだ訳じゃないと思うけど。
浅い呼吸を繰り返す男を落とし、あたしは自分の長い髪をぎゅっと握った。