もう一度、名前を呼んで。【完結】
ていうか…
いつになったら手を離してくれるんだろう。
「俺のこと、覚えてねぇか?」
早く離してくれないかなー
なんて思っていると、いきなりそんなことを聞いてきた。
覚えてるって…
なんだか、顔は見たことあるような気がするんだけどなあ……。
覚えてはないかな?
「わからない。」
あたしは一言、そう答えた。
すると、腕を掴んでいた男の人は少し顔をしかめて、「ならいい…」と呟いた。