もう一度、名前を呼んで。【完結】
龍毅は何も言わずに、ただイスに座ってた。
昂太とでも話しに来たのかな、とも思ったけど、そんなに口数も多くない。
どうしたんだろ?
そう思ったけど、あたしは夢と現実の間みたいなとこで意識がフラフラしてた。
「藍那、飯食わねぇの?」
「ん……」
龍毅がチラッとこっちを見て聞いてきた。
同時に昂太もこっちを見る。
「お腹…空かない……」
ボーッとしたままのあたしを、心配そうに昂太が見ているのに気付いた。
「昂太、心配しなくていいよ。
あたし元気だから。」
そう言って笑ってみせたけど、多分あたし、笑えてなかった。