もう一度、名前を呼んで。【完結】
紫蛇
「……いった…………」
あたしは、ズキズキする頭を抱えながら寝ていたらしい体を起こした。
右手で頭に触ろうとすると…
カシャンッ
…は?
まじかよ………。
あたしの手には手錠がかけられていた。
はぁ…
ついてない。
あたしがキョロキョロと辺りを見渡すと、まどもない、小さな部屋にいることが分かった。
「どこ、ここ……」
だれもいないと分かって、口に出してみた。
すると
キィッ
と音をたてて、唯一あった扉が開いた。