もう一度、名前を呼んで。【完結】
うーん。
逃げられそう…
ではあるんだけど。
手に手錠がかけられてるだけだし。
でもなぁ…体がいうことを聞かない。
頭は重いし、胃がキリキリする。
「…おい。」
どうしたもんかな……
悠唏たちに迷惑かけてなきゃいいんだけど。
「……っ…おいっ!」
いやでもさすがにバレてるかな?
どれくらい経ったんだろう?
「てめぇっ…!!」
「ねぇ、今何時?」
あたしが時間を聞こうと思って顔を動かすと。
「このやろぉ………っ!!」
鬼の形相であたしを見据える男がいた。