もう一度、名前を呼んで。【完結】
まあ、確かにコイツの言う通り。
今の状況で普通の女がこんな口利ける訳がない。
……普通の女ならね。
「こっちくんなって!
キモい!!」
「へぇ…キモい、ね。
そんな事を俺にいったのはアイツ以来だな。」
アイツって誰よ。
そんな事を思っているうちに、倉本はあたしの真ん前に立っていた。
「あんたが俺を挑発したんだぜ…?
恨むなら自分を恨めよ?」
そう言って…
ヒヤッ……
「……っ!!」
バッタン!!
あたしは、口を塞がれて冷たいコンクリートに押し倒された。