もう一度、名前を呼んで。【完結】
やっと、暗さに目が慣れてくる。
「………っ!!」
俺の目に映ったのは、
藍那とその上に馬乗りになる倉本。
藍那の制服は前が全てはだけ、コンクリートに倒れている。
そして…スカートの中には倉本の手。
藍那は抵抗もせず、ただその大きな目が何も映さず俺を見ていた。
沸々と、久しく感じなかった感情が俺を包みこむ。
怒りとも言えないような黒い感情。
俺は理性を失い倉本を力一杯蹴り飛ばした。