もう一度、名前を呼んで。【完結】
藍那が倒れたとき、頭がおかしくなるんじゃねぇかと思った。
俺は、ずっと藍那を待ってた。
10歳のとき離れて。
俺はずっと小さい頃から藍那が大事だった。
“お前が藍那を守るんだ”
言われなくても分かってる。
ずっとそう思って…
ずっと藍那の近くで藍那だけを見てた。
でも気付いたら藍那は手の届かないところに行ってしまって。
生きる意味を失ったかと思った。
でも、中学に入って一つ先輩の理流に出会った。
「その子が戻ってきたら守ればいい。」
そう言われたときから、再び藍那を守りたい一心で…
俺は強くなると誓った。
ただがむしゃらに…喧嘩をしていた。
夜になったら家を抜け出した。
でも、そんなのは俺の親にはバレバレだった。