もう一度、名前を呼んで。【完結】
まぁ、いろいろあるからだってことは知ってるけど。
〔……今は、行けないな。仕事が落ち着いたら行くよ。〕
風斗さんが言う。
いい加減仕事を言い訳にするの、やめたらいいのに。
「残念です、風斗さん。」
俺の言葉の意味は伝わっただろうか。
伝わったら、いいと思う。
早く藍那を救ってやりたい。
あいつは言わないだけで、本当は寂しいんだろうから。
押し付けかもしれないけど、そう思う。
俺は、電話を切ってマナーモードに設定する。
さ、部屋に戻ろうかな。
藍那が風斗さん達と打ち解けるまでは、俺が支えてやりたい。