もう一度、名前を呼んで。【完結】
「でも舜、一人でここにいるほうが危なくない?」
僚の言うことは最もだ。
「てことで悠唏、行こう?」
いつもよりも、自然な笑顔。
僚のやつ変わったな、藍那が来てから。
年上二人の「行きたい」の言葉に俺は頷く。
龍毅も「またあそこに行くのかよ…」とぶつぶつ言いながら立ち上がる。
舜も不服そうながらも、立ち上がる。
俺達は意を決して屋上のドアを開けた。
「「「「「きゃぁぁぁ!!」」」」」
開けた瞬間、耳が痛いような歓声。
どっから声出してんだよ…
そう思って、人だかりを見る。
するとスススッと道が開き、歩けるようになる。
その間を歩きながら、藍那の教室へと向かった。