もう一度、名前を呼んで。【完結】
「あっ…舜っ!!!」
止めようとした。
俺達は。
でもそいつは、舜の拳を止めた。
「…は?」
僚が声を落とす。
驚いたらしい。
「なんで?何、コレ…」
舜の手を掴んだままのそいつ。
よく見たらスーツを着ている。
男………なのか?
でもあの声は…
「…離せよ」
舜が唸るように言う。
かなりの力を入れて引いているみたいだ。
なのに、離れない。
「俺を殴ろうとしたわけ?」
そいつは挑戦的に言う。
「殴ってみれば?
そのかわり、俺もお前を殴るよ?」
そんなことを言う。