もう一度、名前を呼んで。【完結】




―――――

俺達は、ベコベコにへこんだ廊下に座り込んだ。



「なんで舜は暴れてたの?」



藍那はそう言って、僚を見た。

舜のこめかみには血管が浮き出ている気がする…



「まぁ…舜は女の子が嫌いだから。」


僚の説明はそれだけで、藍那はなんとなく理解したらしい。




「お前なんでそんな強ぇんだよ?」


ずっと眉をひそめていた龍毅が尋ねるように呟いた。


それは俺も、思っていた。

というか全員だろう。




「強くないよ〜。

ただ、昔から合気道とか空手とか習ってたからじゃない?」



そう言って俺を見る。


そうだよね、と言わんばかりに。



それに俺は「ああ」と答えた。




でもあれは合気道でも空手でもない。

確かにそれがベースかもしれないけど、あれは喧嘩だった…




でも藍那は詳しくは話すつもりはないと言うように「ほらね!」と笑った。





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