もう一度、名前を呼んで。【完結】
あたしはとにかく頑張りまくった。
かなり売上げたし。
あたしについて来た女の子で、クラスの他のヤツのとこに行ってくれたコもいて、全体的に活気のあるクラスになってたし。
そんななかあたしがそれを見たのは、休憩時間だった。
ブォン…
バイクの音がしてふと窓の外を見る。
ちょうど見やすい位置にそのバイクが止まる。
「カッコイー……」
あたしはバイクが好きだったから、つい見入ってしまった。
いじり方もイイ感じだし、何よりあのステッカー。
黒地の車体に薄いピンクの花びら。
あれは、桜かな?
桜の花びらが三枚、美しく散っていた。
…あんなの初めて見た。
鳳狼のバイクじゃないよね。
いったい誰なんだろう…
乗ってた人の顔は見えなくて、バイクを止めてどこかに行ってしまった。
あたしはしばらくそのカッコいいバイクを見た後、教室に戻った。