もう一度、名前を呼んで。【完結】
桜華
あたしがそれに見とれていると、部屋に昂太が入ってきた。
「あ〜あ〜、何してんねん。まぁ藍那やったら見るやろうとは思っとったけどなぁ」
「昂太……。」
「悠唏さん達が、藍那も来てエエって。今から音楽室に行きぃな。多分、桜華も来るんやろ。」
あたしは昂太に「ありがと!」と笑って、今の格好をちゃんと整える。
男の格好をしてると言っても、少しカツラがズレてるし、化粧もちゃんと直さなきゃ。
だからあたしは自分の身なりをきちんとした。
「そんな気合いいれんでもエエやん」という昂太は無視。
あの美人な女の人と比べられたくないもん。
がっつり男として行かなきゃ。
あたしはそんなことを考えていた。