もう一度、名前を呼んで。【完結】
あたしは急いで音楽室に行く。
あたしたちの教室からは少し距離があるから、走りつづけるのはキツイ。
カツラがとれないようにしながら、急ぐ。
「はぁ…やっとついた…」
あたしは階のはじっこにある音楽室のドアまで行く。
でもそこには…
「うわっ…ドアがない…」
驚いて、思わず声を上げる。
蹴っ飛ばされたらしいドアを見つめていると
「こっち来い、」
悠唏に呼ばれた。
あたしは大人しくそれに従う。
歩き出すときに、部屋の中にいたさっき教室から見た桜華の人達の集団を見てみる。
男の人は全員鳳狼のみんなを見ていた。
けど…
パチッ――
囲まれるように、男の中にいた女の人と目が合う。