もう一度、名前を呼んで。【完結】
「――…っ!!」
近くで見ると、本当に綺麗。
完璧な……人形みたい…
陶器みたいに白い肌に、
少し薄めの真っ赤な唇
ダークブラウンのあたしよりも長い髪
折れそうなほど細い体
だけど、出るトコは出てる…
こんな人が、世の中にはいるんだわ…
そう思うほど完璧なルックスとは反対に、目が真っ暗。
何の感情も読み取れない無表情
色を失ったような真っ暗な目
だけど、それすらもこの人の美しさを主張する一部に過ぎない。
あたしは悠唏たちのもとにたどり着くまでに、その美しさに涙が出そうだった。