もう一度、名前を呼んで。【完結】
女の人はまだ続ける。
「解決してないの?したわよね?」
少し笑みを浮かべて尋ねるように言う。
「ねぇ蓮士。まだ足りないの?
謝ってくれてるわ。弘夜も無事。
私たちが許せば終わりよ。
…許すこともまた強さだと思うわよ?」
そんなことを言って。
あたしは困ったようにも見えるその人の笑顔に苦しくなる。
あの人は…何を思ってるんだろう?
「侑希………」
ずっとこちらを睨んでいた銀髪の人の顔が歪んで視線が外される。
「蓮士………。」
女の人は、分かるでしょう?とでも言うように問い掛けていて。
「総長……、俺もう大丈夫っスよ?
みなさんが来てくれたんスから!!」
その隣にいたオレンジ頭の人もそう言ってる。
その言葉が蓮士の背を押してか。
「分かった……。もういい。」
そう、小さく呟いた。