もう一度、名前を呼んで。【完結】
嵐の後
音楽室に、あたしたちだけになってしばらく誰も何も言わなかった。
一体何があったんだろう…
あの人たちの言う感じでは仲良くはなれてないんだろう。
それにしてもあんな言い方されるほどの事をしたの?
「あ、藍那ちゃん、座ったら?
立ったままじゃキツイでしょ?」
気付かなくてごめん、と言う僚にあたしはふるふると首を振る。
僚がなんだか苦しそうに笑ってて、あたしは声が出せなかった。
「悪ぃな、藍那。
訳分かんねぇだろ?」
グレーの頭を掻きながら理流が言う。
「…何があったの?」
あたしは、みんなの辛そうな表情に堪えられなくて尋ねた。
話を聞くくらいはできるから。
「昂太は、桜華の人は迎えに来るだけだって言ってたよ?」
「…ああ。そうだったみたいだな。
ただ仲良くはなれねぇな。」
苦々しそうに理流が答えてくれる。
僚も苦笑してて、悠唏はソファに座ってうなだれてる。
舜くんは「は〜あ。」と可愛らしいため息をついて。
龍毅は機嫌が悪い。眉間にシワが寄ってるし。