もう一度、名前を呼んで。【完結】
その龍毅が口を開く。
「あの藍色ヤロー、ムカつく。
見下してんじゃねぇの?俺らを。」
クソッ…とクッションを殴った。
「もう倉庫行きてぇ。こんなとこにいたってあいつらに見下されたまんまだ。
…着替えてぇし。」
そう言いながら茶色がかった赤髪をわしゃわしゃと崩す。
するとワックスで整えられていたのが、いつものツンツン頭に戻った。
「せっかくの文化祭なのにもう帰るの?
まわったりしてないのに…勿体なくない?」
「もうめんどくせぇ。ねみぃし。」
あたしの言葉はそう片付けられた。
龍毅は本当にもう帰るつもりなんだろう。
悠唏はどうするんだろう?
そう思って悠唏を見てみれば、顔を上げて薄く笑っていた。