もう一度、名前を呼んで。【完結】
「藍那、大丈夫か?」
パパはイスに座ったあたしを見ながら、そんなことを言った。
「ん?大丈夫だよ。
何かあったらけいちゃんのとこに行けばいいんでしょ。」
あたしがあの日、ちょっと泣きそうだったのを嫌がってると思ったみんなは、口々に「やめてもいい」と言った。
だけどあたしは結局、行くことにした。
毎日暇なのもいやだし。
パパとママがあたしを気遣っているのが痛いほど分かったから。
心配をかけないように、明るく振る舞った。
まぁ、高校に通いたいって気持ちも少なからずあったから…
まあいいか、って思った。