-Judge-
「ああ?なに、新入り?」
その声に顔を上げると、そこには目が細く赤い髪の男が立っていた。ぴたっとした黒いタンクトップにズボン。そのどちらもあちこちが破れたり擦れたりしていてボロボロだった。
此処に来てから初めてボスと刀夜以外の人間に出会った。
「やあ、こりゃまた上玉。」
私の顔を見た瞬間、男はにやりと厭らしく笑ってきてとても不快な気持ちになる。
「名前は。」
「…」
反応を示さないでいると、彼は片方の眉を器用に上げてみせ、信じられない言葉を口にした。
「へえ。あんた、親殺しか?」
思わず目を見開くと、やっぱりな。と呟く男。全くもって意味が分からない。
「で、両親やったのか?感想は?ってかお前幾つ?」
余りの無神経さに怒りを通り越して呆れる。
「やってないし、お前じゃない。レイ。」
そう言った瞬間だった。
ふわりと浮き上がった身体と、強い圧迫感。
気付いた時にはもう、その男に首を片手で掴まれ、身体が宙に浮いていた。