-Judge-
きっと、異常だった。
こんな世界に放り込まれてそれでも生きて行こうとする私は、誰がどうみても異常だったにちがいない。
擦れ違う度に向けられるのは、なんとも言えないようなそんな視線。
どうやら自分は感情を表に出さない人間らしい。自分じゃまったく気付かなかったけれど、それは親が死んでからずっとそうだったとボスに言われた。
にこりと笑う事もしないし、ましてや怒りだって、悲しみだって、そんな大雑把な感情を表現出来ないのならば、もっと細かいそれを顔に出す事など出来るわけがない。
いつの間にか、人形の様だと言われるようになった。
刀夜に感じたものを、今は自分が他人にそう思われている。そう考えると、どうやら人間は環境に左右される生き物らしい。