-Judge-
此処にきて一ヶ月が経った。
そして今日、訓練だけで肉体的に限界だと思っていた私の考えはとても浅はかだったのだと思い知らされる。
「これを飲んで下さい。」
何時ものように部屋に集まり、中心にいる刀夜を囲む。
ただ初めと違うのは、人数が極端に減っているという事。
合計11名。
ドロドロとした液体はまるで、お母さんが前に読んでくれたお伽話に出てくる魔女が煎じた毒薬のようで、とてもえげつなかった。
それを飲めと言う刀夜の顔は何時も通りに無表情で、ただ違うのは、その言葉に対して説明を始めた事だった。
「これは、簡単に言えばドーピングの様な物です。貴方達はこれから、外人のボディーガードやマフィアと闘う事があるかもしれないのです。しかし、ただの日本人である貴方達に勝算などあるわけがない。つまり、だったら身体の作りから変えてしまえば良いというわけです。生存率Ⅰパーセント。頑張って生きて下さい。」
誰しもがごくりと息を飲み込んだのが分かった。
つまり、それ相応の精神力が無ければ、直ぐにあの世行きだという事。