-Judge-
お葬式はひっそりと行われた。
何発もの銃弾が両親の身体を貫通し、息の根を止めた。
殺人だと世間に公表されたものの、目撃者がいないために警察も成す統べがなかった。
一人残された私も毎日の様に事情聴取を受けたけれど、分かる訳がなかった。
なぜなら、犯人は数人いて、全員黒ずくめのマスクをつけていたのだから。
知らないと首を振りつづける私は精神的に限界だった。
お父さんとお母さんを失った。
その事実があまりにも残酷で、とても悲しい。
いや、悲しいだなんてそんなものではなかった。
両親の遺体が入った棺をずっと見つめていると、ふつふつと沸き上がる激情。それを抑える術が見つからない。
“殺された”
身体中の血が沸騰しているような、そんな気がする程に熱い。
“殺された”
そう考えれば考えるほどに
息をするのさえも苦しくなる。