-Judge-
「まあ、そういうわけだからこの学園も荒れてる部分があるんだよ。喧嘩も堪えないし、夜中の集団リンチも堪えない。金目の物を狙う外部からの侵入者もいる。…君に勤まるだろうか。」
遠慮がちに尋ねてくる彼に、だったら依頼してくるんじゃないよ。と、言ってやろうかとも思ったが、仮にも依頼主だ。下手な事は言えない。
「はい。」
「ありがとう。」
微笑む彼は、内ポケットに手を入れた。それだけで自然と身体が構えるのは仕方がない。そういう性分だ。
「これはカードキー。この学園での全てを管理してるんだ。他の生徒達とは違う特別なもので、セキュリティ室もこれを使って入る事が出来る。」
ゴールドのカードは、触れると指紋がついてしまう程にきらきらと光っていた。
「あと、君は特進クラスにしてある。何かと普通じゃないから気をつけて。」
何かと普通じゃないって。
本当に適当な奴だな。