-Judge-

授業は退屈で堪らなかった。
特進クラスって言ったらもっとハードなものかと思っていたのに。
まだ10歳にも満たない年頃と同じ様なものを繰り返し教わるだなんてつまらない事この上ない。



昼休みになった。
ようやく起き出した両隣りは、片方は眠たそうに欠伸をして、ちらりとこちらを見た。

そこで気付く。

私と相部屋の男じゃないか。


何か言うべきなのか。
いや、仲良しこよしをする気はさらさらない。
だったら別に無視をしたままでも良いかな。

「あれー。転入生?」

今度は反対の隣りから聞こえてきた声に、少し安心する。
人懐こそうな声だ。


「俺、南隼人!って、うわあ。めちゃくちゃ綺麗!どどどどうしよう!」

急に頬を赤らめて吃るそいつに若干引きつつ、「天宮玲。よろしく。」と自己紹介をした。

「ほえー…その金髪地毛?だよね。傷んでないし、さらさらだし。ハーフ?目、茶色いね。綺麗!」


なんだかそんなに褒められたら、少し照れる。

南隼人は、一言で言えばちっちゃかった。
大きな目はたまにきょろきょろと動く。笑うとくしゃりとなる顔も可愛い。
まるで、小動物みたいだ。



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