-Judge-

食堂も、やはり広さが半端じゃなかった。けれど端から端まで席が埋まっているのを見ると、全寮制ならばこんなものかとも思う。

テーブル席に腰掛けて慣れたようにメニューを広げる隼人の前で、私は視線を辺りへと向けた。

この場所にきてから何だか強い視線ばかり感じると思ったら、当たり前だ。
遠慮なくこちらをガン見してくる…しかも立ち止まって、ひそひそと話してくる生徒達。

けれど全く気にしない様子の隼人に、だったら自分も気にする必要はないと、メニューへと視線を移した。

どうやら注文式の学食らしい。
なんて贅沢なんだろう。









運ばれてきた料理を食べていると、隼人がある方向を見て手を止めた。

不思議に思ってそちらを見ると、ニヤニヤと笑って自分達を指差している輩。

「またかよ。」

うざったそうにそう呟く隼人は、その状況から抜け出したいのか、食べるスピードを速めた。
自分も黙々とご飯を食べる。


しかし、そんなことはお構いなしに近付いてきたその男達は、私達の前で足を止めると隼人の肩に手を置いた。



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