-Judge-

「南ちゃん。今日は西園寺と一緒じゃないの?」


「触るな!」

そう言って男の腕を払う隼人。
けれど、再び手を伸ばそうとする男に私はとてつもなく苛立った。

「ガキか、お前ら。」

自分でも驚くくらいの低い声。
しかもガキとは、まさにぴったりの表現だ。

「あ?なんだお前…」

「あんたらの頭の中に脳みそはないのか。外見はまるでおっさんくさいのに、知能は幼稚園児以下だな。自分がやられていやな事は人にやるなと教わらなかったのか。おい、聞いてんのか。」


いつまでも反応を示さない男達に呼び掛けるが、それでも何も言わない事から、どうやら思いっきり無視をしているらしい。

実に気に食わない。


「…お前、いたっけ?」

ようやく口を開いたと思ったら、たった今お前の存在に気付きましたみたいな言い方に腹が立つ。


「は?」

「いや…お前みたいな奴見たことねえから。」

今度は耳まで真っ赤にしてそううろたえる男に、小さく舌を打つ。

なんだか、やはり、
とてもいらつく。



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