-Judge-


部屋に帰ると、まだ西園寺は帰ってきていなかった。

「…疲れた。」

呟き、大きなソファに横たわる。

学校というものはなかなか面倒臭い。お経のような授業を延々と聞いて、寝れば起こされる。

でもまあ、友達が出来たのは素直に嬉しい。
せっかくこういった場所に来れたのだから楽しもうとも思う。
Judgeの任務が第一だが。


そういえば、西園寺は放課後になっても帰って来なかった。

あれは確かに私の言い方が悪かった。そりゃあ好きで生徒会長になるわけがないだろう。あの性格で。

素直にちゃんと謝ろう。


窓から差し込む夕日の赤を見つめながら、そう思った。














身体がふわふわする。
石鹸の落ち着く匂い。

なんだか凄く心地好くて、目を開けたくなかった。
こんなにも気持ちが良いのはいつぶりだったか。


とても幸せな気持ちだった。




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