-Judge-
「なんだよ、そんな言い方ないだろ。」
「ほんとの事じゃねぇか。」
呆れた口調の西園寺に文句を言おうとしたものの、確かに。と口をつぐむ。
寝てしまって、しかも運ばせたということは事実。思い出すと、非常に申し訳ない気持ちになる。
「まあまあ、二人共。喧嘩する程仲が良いってな!」
肩を叩いて豪快に笑う隼人の腕を払いのけて、西園寺は無言で席についた。
しかし、大して気にしていない様子で隼人は私に向き直る。
「ところで、玲。」
「うん?」
「まだ親衛隊に接触してないよな?」
「は?」
彼の口から出てきた新たな単語。
「なんていうかな。うん。俺はそんなこと望んでないんだけど。」
「ああ。」
「勝手に親衛隊とか作られててさ。過激なファンクラブみたいな。ちなみに西園寺にも。」
「へ、へえ。」
「うわ!ひいてる…。そりゃあひくよな。」
「や、別に。大変そうだな。」
「うーん。それでさ、俺と一緒にいた奴って、今までその親衛隊に脅されてるんだよな。なんか俺に相応しくないと近付けさせないみたいな。」
「ふーん。」