ラブトラップ
「な、なんかさぁ。
 それって、負けた気がしない?
 昨日までただの友達だった美虎のことを思って、私が眠れない夜を過ごすことがあるなんて、なんか納得できないんだけどっ」

思わず身体を起こして口角泡飛ばす勢いで喋りだした私を、まぁまぁと南が宥める。

「そこまでリンが子供っぽいとは知らなかったわ。
 だから、平気な顔して男の子たちとバンド組めたのね」

「――し、失礼ね」

いくら親友でも言って良い事と悪い事ってあるんじゃないかしら。

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