ラブトラップ
そんな風に過ごし始めて五日が過ぎたとき。
「ねぇ、聞いた?
早川さんが、稲葉に告白したんだって」
学校帰りに南が、のんびりした口調でそう切り出した。
「――え?」
自分があげた声が、思いのほか大きくて、私は慌てて口を押さえる。
瞬間、それまで心地良く吹いていた秋風さえも、ぴたりと止まった。それどころか、心臓の音さえ止まってしまったような気がする。
「嘘、でしょう?」
「嘘かどうかは定かじゃないわよ。
直接見たわけじゃないもん」
「ねぇ、聞いた?
早川さんが、稲葉に告白したんだって」
学校帰りに南が、のんびりした口調でそう切り出した。
「――え?」
自分があげた声が、思いのほか大きくて、私は慌てて口を押さえる。
瞬間、それまで心地良く吹いていた秋風さえも、ぴたりと止まった。それどころか、心臓の音さえ止まってしまったような気がする。
「嘘、でしょう?」
「嘘かどうかは定かじゃないわよ。
直接見たわけじゃないもん」