ラブトラップ
「上々な、わけないじゃん」

意気揚々とした私の報告を聞き終えた南が、がくりと肩を落とす。
ここは、人影まばらな学校の屋上で、私たちは教室を抜け出して二人で一緒にランチを食べていた。

――さすがに、教室でこんな話が出来るわけ無いわ。

「なんで?
 アイツが母子家庭の一人っ子って分かったんだよ?」

私は首を傾げてみせる。

「――偶然ね」

南が意地悪く念を押してくる。

「偶然だってなんだって、情報には変わりないわよ。違う?」

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