ラブトラップ
「ちょ……ちょっと、いいの?
 宏倒れてたけど」

「いいのいいの。
 数秒後にはけろりとした顔で起き上がってるって」

「それに、美虎には本当はスコアなんて要らないんでしょう?」

「うーん、まぁねぇ」

畳み掛ける私の質問に、健二は足を止め、手を離してくれた。

「でも、キリンの親友の彼氏が俺たちに美虎のことについて突然探りを入れてきたら、だいたい、キリンの気持ちについて、察しがつくってもんじゃない?」


――うう、ストレート。
  これから綿密に組み立てようとしていた罠を一瞬で台無しにする発言に、私は思わず顔を顰める。


「ま、中には宏みたいに鈍すぎるのもいるけどさ。
 で、陽介はおせっかいなんだな、多分」


健二は冷静にメンバーを分析していく。

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