ラブトラップ

「直球でむちゃくちゃなこと言わないでよ。
　ヒトゴトだと思って～っ」

「そう？
　じゃあ、キリンはどう思ってんの？」

「どうって――。
　だって、美虎は、あんなにクラスで普通に喋っていた早川さんのことさえふったんだよ？
　私にオッケーするわけないじゃんっ。
　だから、南に相談して、一歩ずつ罠をはって――慎重に――」


私は勢いに任せてそこまで口にして、しまったと唇を押さえる。

何、美虎の友人相手に本音を炸裂させてるんだろう、私。

「いいねぇ、恋愛初心者は初々しくって」


けれども、言葉をぶつけられたほうの健二は、それを嫌がる様子も無くむしろ楽しそうに笑ってくれたので、少しだけほっとする。