ラブトラップ
なに、なに? と。
楽しそうにな美虎の瞳の輝きは、クリスマスプレゼントを待つ子供のそれにも良く似ていた。

――何、って言われても――

私は思わず口篭る。
――つか、本当に分かってないのかしら?

美虎が宏並に鈍いとは思いがたい。
だったら――健二や陽介が私の気持ちを悟ったように、本当は分かっていて私のことからかってるんじゃないかしら――?


なんとなく、そんな疑問が頭を掠めてきた。


だからと言って、本人にそれを確かめる術を私は持ち合わせてなんていない。


「な……なんでもないわよ。
 美虎には関係ないわ」
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