最後の約束
そう言って、我が子を愛でるように鉄之助の頭を撫でてやる土方。
その口元は柔らかな笑みを描いていて。
それは今まで見た中で一番綺麗な微笑み。
実の兄より兄のような存在であった男。
ここまで見放すことなくお側を許してくれた誇り高き我が師。
彼の誇りや信念に憧れてここまで来た。
彼の生き様を守りたくてここまで来たのだ。
己がこの任を遂げることで、彼の願いが叶うなら。
鉄之助は再び深く深く頷いた。
「…鉄。この部屋を出たら日野に着くまでは絶対に泣くな。任務をやり遂げるまで泣くことは許さねぇ。いいな?
─────俺との、最後の約束だ」
それが二人が交わした最後の会話。