いちごのタルト
自分の世界に入ってしまって、人が近づいて来るのに気がつかなかった。
「なに、泣いてんだぁ?」
えっ?誰?
っていうか、私泣いてることにも気がつかなかった。
見上げると、見たこともない人。
男の子?男の人?
多分、私と同じくらいの年だと思う。
それに、かっこいい。
「おーい!どうしたんだ?」
あっ、観察ばっかりしてて、返事するの忘れてた。
涙をふいた。
「大丈夫。泣いてないよ。」
その人は、しばらく私の顔を見つめてた。
「泣きたいときは泣けばいいんじゃねぇの?」
その人はそう言って、1人が座れる分くらいあけて、私の隣に座ってきた。
この人は一体誰なんだろう?
初めて会った人なのに、なんかそんな気がしない。
心配・・・してくれてるのかな?