いちごのタルト
辺りが少し暗くなった。
「私、おばあちゃんっ子だったから。だから、余計ショックが大きくて。寂しくて・・・」
丈留は、私が話してる途中もうなずきながら、ちゃんと最後まできいてくれた。
話終わった私に‘辛かったな’って言ってくれた。
「俺のばあちゃんが言ってたんだけど」
「泣いたあとはうまいもの食うと笑顔になれるらしい。・・・俺がおごってやるから。何、食いたい?」
「いちごのタルト」
言った瞬間、手を引っ張られて、立たされた。
「俺、引っ越してきたばっかで、この辺よくわかんねぇから、案内頼む」
自分でいちごのタルトが食べたいとか言っておきながらだけど・・・
おごるって言ってくれたよね?
そんなのダメだよ!
「おごってもらうなんて悪いからいいよ。話きいてくれただけで、スッキリしたから!ありがとう。」
私の手を掴んだまま、私の顔を見つめる丈留に言った。
っていうか、手・・・
なんか胸がドキドキして、丈留の顔まともに見られないかもしれない。