君がいたから
駆け足になりながらの返答は、返事と言うよりは「呟き」に近かった。


それが呪文かのように何度も呟きながら
足は半ば駆け始める。

「ちょっ。チョイ、待てよーもう少しゆっくり歩けって
      時間あるんだし、さ。」
後ろを歩いていた彼は、たしなめる口調。
恥ずかしさに、頬が赤くなってくる。



< 2 / 11 >

この作品をシェア

pagetop