龍華
「フッ」
龍斗が、鼻で笑う。
こいつが鼻で笑うとイラッ..とするなぁ。
ていうか、あたしの出番ないじゃんか..
でも、それだけ強いんだろう。
そして、龍斗は修哉の耳元に駆け寄りボソッと呟いた。
もちろん、あたしに聞こえるはずがない。
だけど、その呟いた一言が修哉を暴走させた。
そう、その瞬間修哉は龍斗に殴りかかった。
そして、押し倒して何度も。何度も殴っていた。
メンバー達は修哉を止めようとしていた。
でも、修哉は止まらなかった。
このままだと...龍斗が危なかった。
あたしは、修哉達の元へ走った。
そして、胸ぐらを掴み殴ろうとしていた修哉の前に立ち、
手を止めた。
「やめろ」
あたしは、低く、男のような声で言った。
修哉は、
「はなせ」
と、言う。だけどあたしははなすわけにはいかない。
きっと、修哉の暴走を止められるのはあたしだけだと思った。