龍華
「はなさない」
あたしは、負けない。
ここで負けたら..龍斗も修哉も危ない。
サツ来たら終わり。
「いいから、はなせっつ―――」
あたしは、修哉の手首を握る手にもっと、
力をこめた。
あたしの、握力ナメンナヨ?
「・・うっ・・・」
後ろから聞こえた。
龍斗..
別に龍斗の見方してるわけじゃない。
でも、ほっとくわけにもいかない。
「修哉」
「あ?」
「自分を見失うな」
すると、修哉はハッとしたように、
手の力が緩まった。
これは...きっと、白蛇の勝ち..だと思う。
ケガがひどい人は病院につれていった。
後の人たちは自分の足で帰らせた。
..病院行きには、もちろん龍斗もいた。
車の中は...
険悪だった。