龍華

「はなさない」

あたしは、負けない。
ここで負けたら..龍斗も修哉も危ない。
サツ来たら終わり。

「いいから、はなせっつ―――」

あたしは、修哉の手首を握る手にもっと、
力をこめた。

あたしの、握力ナメンナヨ?

「・・うっ・・・」

後ろから聞こえた。
龍斗..
別に龍斗の見方してるわけじゃない。
でも、ほっとくわけにもいかない。

「修哉」
「あ?」
「自分を見失うな」

すると、修哉はハッとしたように、
手の力が緩まった。

これは...きっと、白蛇の勝ち..だと思う。

ケガがひどい人は病院につれていった。
後の人たちは自分の足で帰らせた。

..病院行きには、もちろん龍斗もいた。
車の中は...


険悪だった。

< 113 / 146 >

この作品をシェア

pagetop