龍華

「別に」


そう、ぶっきらぼうに答えた男の子。


「名前は?」


「...お前に教えてなんにだるんだよ。」


「ま、そうだね。じゃあ、ちょっと話そうよ。」


最後の日。
大切な日。

その日話した男の子が
あたしの初恋。

初めての恋だったからね。
それからは、恋なんてしてないし、
する暇なんてない。


あの世界ではね。


「なあ、なんで俺に話しかけてきたんだよ。」


「さあ?なんとなくかなーっ」


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