龍華


「俺的に...」


「うん...」


心臓がバクバクいっているのが聞こえる。
告白しているわけでもないのに。
でも、これは告白に近いだろう。
でも、男の子は気づいていない。
そりゃそうだろう。
まだ、会って数時間というのに、惚れたなんていったら
軽い女って思われるに決まってんじゃん。

そんな風に思われたくないもん。
だから、まだいえない。
軽い女だったら、きっとすぐ捨てられるでしょ?
ヤリ逃げって奴かな。

あたしは、そんな風に傷つきたくない。
ましてや、好きな人。
好きな人に‘‘ヤリ逃げ’’なんてされたら
もう、恋なんて絶対できないと思う。

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